2025/07/09 池袋チルドレン vs 元祖練馬──命が交差するサツマイモ畑

🌱 1週間でここまで!命のスピード

7月2日。
コンクリートの街で芽吹き、この畑にやってきた池袋のサツマイモの苗──「池袋チルドレン」。
都会育ちの挑戦者たちは、まだ小さく頼りなげな苗でした。

それが1週間後──7月9日。
葉は太陽に向かって大きく広がり、畝を覆うほどの力強さを見せていました。
そのたくましい姿に、思わず息をのみました。

🌿 右の畝からの“越境”

けれど、その成長をさらに上回っていたのが、右端の畝。
ここにいるのは、5月14日に植えられた元祖練馬のさつまいもの苗。
この畑の原点であり、大地にしっかりと根を張る本家の存在です。

元祖練馬は自分の畝を飛び出し、池袋チルドレンの畝へとツルを伸ばし、土に根を下ろしていました。
まるで「ここも自分たちの世界だ」と宣言するかのように──。

命と命が重なり合い、境界を越えていく。
畑の中で、そんな静かな攻防が繰り広げられていました。

✋ ツルはがし──命を整える手作業

このままでは、池袋チルドレンの光が奪われてしまう。
さらにツルが畝を越えて根を張ると、養分が分散し、肝心のサツマイモが太りにくくなってしまいます。
そのため、伸びたイモのツルを一つひとつ手で持ち上げ、葉を裏にして優しく元の畝へ戻しました。

この作業を「ツルはがし」といいます。


それは単なる手入れではありません。
光を分け合い、養分を集中させ、未来の実りを守るための大切な時間。

葉の重なりを解くとき、まるで命の糸をほぐしているような、不思議な感覚がありました。
まるで命の糸をほぐすような、静かな時間でした。

🌿 こちらも負けていません──ベランダで奮闘する「池袋本家」

一方そのころ、7月9日の池袋。
ビルの谷間にある小さなベランダで、「池袋本家」のサツマイモたちも負けじと力強く育っていました。

葉は青々と広がり、ツルはベランダの手すりにかかるほど長く伸びています。
大地を駆け回る「元祖練馬」と比べても、その生命力は決して引けを取りません。
コンクリートの都会でも、サツマイモたちはしっかりと光をつかみ、自分の世界を広げているのです。

「元祖練馬」にも負けない存在感。
次に会うときは、さらにこのベランダいっぱいに緑のカーテンを広げていることでしょう。

🌟 最後に:命は、それぞれの場所で輝いている

サツマイモたちは、それぞれ違う場所からやってきて、違うスピードで育っています。
都会から来た池袋チルドレン、大地に根づく元祖練馬、そしてベランダで奮闘する池袋本家。
ときにぶつかり合い、ときに重なり合いながら、この世界で共に生きている。

人の手は、その命をコントロールするためではなく、
よりよく共存するためにあるのだと、作業をしながら感じました。

次に訪れるとき、畑もベランダも、今日よりもっと逞しく、美しい景色になっているはずです。